[セッションレポート] 一緒にAWS Well-Architectedレビューをやってみよう #jawsdays2022 #jawsdays #jawsug
こんにちは、つくぼし(tsukuboshi0755)です!
2022/10/8にJAWS-DAYS 2022 - Satellitesが開催され、私も試聴させて頂いたのですが、個人的にとても面白いと感じたセッションがありました。
AWS Well-Architectedについて非常に勉強になったので、ぜひ他の方にも知って頂きたいなと思い、セッションレポートを行います!
セッション情報
概要
AWS Well-Architected Frameworkを用いたアーキテクチャレビューは非常に便利なものではありますが、レビューに時間がかかったり、またスキルのあるレビューアをアサインすること自体にハードルがあることから、現場であまり活用されていないのが現状です。 本セッションではフレームワークの単なる解説ではなく、実際に現場で活用できる勘所やレビュー時の判断基準など、実践で活用できるノウハウ※を伝授します。またより現場で活用しやすいよう(後日公開される動画が再利用できるよう)、セッションは疑似レビュー形式で実施し、資料はレビューでそのまま活用できるバージョンもあわせて公開します。
公式サイトはこちら
登壇者
大竹 孝昌さん
動画
セッションレポート
- AWS Well-Architected Frameworkのおさらい
- ベストプラクティス集ではなく、リスク評価の質問集
- 使用形式はWeb版がオススメ
- 質問①:PJの方針や条件(制約)は明確になってますか?
- システムやチームにおける優先順位を定義しているか
- 重要視する項目をランキング形式(1位~3位くらいまで)で表現できているか
- 全ステークホルダーと共有できているか
- チーム内の優先順位を定義し共有できているか
- 準拠しなければならないルールを確認しているか
- 法令や業界ガイドラインを確認しているか
- 社内ルールを確認しているか
- システムやチームにおける優先順位を定義しているか
- 質問②:あらゆる障害や失敗にどのように備えていますか?
- ワークロードの正常性をモニタリングしているか
- 正常性を定義しているか
- 異常の検知ではない事に注意
- 正常性の範囲から外れたものを異常として扱う
- 正常性がモニタリングできる仕組みを実装しているか
- モニタリングを実施し、分析も行っているか
- 正常性を定義しているか
- RPO/RTO(またはSLAやSLO)を定義しているか
- リスクシナリオの具体化と自動復旧のサポート範囲をしっかり定義しているか
- バックアップを自動化しているか
- 障害の復旧を自動化しているか
- オートヒーリングによる自動復旧
- シングルAZ構成の自動復旧
- DRサイトへの自動切り替え
- 上記以外の自動復旧全般
- AWSのスケーラビリティを活かした構成や冗長化で可用性を高めているか
- 高負荷時に自動でスケールしているか
- マルチAZ構成にしているか
- マルチリージョン構成にしているか
- ワークロードの正常性をモニタリングしているか
- 質問③:セキュリティリスクはどのようにコントロールしていますか?
- システムが保持する情報資産を把握しているか
- その情報はどんな形式で存在するのか
- どのサービスで管理すべきか
- どのようにコントロールできるか
- 具体的なセキュリティリスクについて把握しているか
- セキュリティ脅威のトレンドを把握しているか
- AWSのセキュリティのトレンドを把握しているか
- セキュリティリスクを特定し、優先順位付けしているか
- セキュリティリスクを定常的にモニタリングしているか
- 全レイヤーでセキュリティリスクの対策を実施している
- マネージドサービス活用でリスクを低減しているか
- 付与するアクセス権は最小限に絞っているか
- ネットワークレイヤーで保護を自動化しているか
- ネットワークアクセスは必要なものに絞っているか
- 人とデータを遠ざける仕組みを実装しているか
- データを暗号化しているか
- コンピュート系サービスの保護を自動化しているか
- 脆弱性管理を実施しているか
- システムが保持する情報資産を把握しているか
- 質問④:運用はどのように効率化していますか?
- 運用タスクを整理し、手順書を作成しているか
- ランブック(平常時の対応手順)を作成しているか
- プレイブック(障害時の対応手順)を作成しているか
- 自動化が必要な範囲を特定し、実装しているか
- 自動化のモチベーションは何か
- 工数削減
- ヒューマンエラー防止
- 時間短縮
- 通知を自動化しているか
- デプロイを自動化しているか
- タスクを自動化しているか
- 自動化のモチベーションは何か
- システム運用の正常性をモニタリングしているか
- 正常性を定義しているか
- 作業ミスの有無
- 許容できる作業時間の範囲
- 許容できる運用コストの範囲
- 運用プロセスの整備状況
- モニタリングを実施し、分析も行っているか
- 正常性を定義しているか
- 運用タスクを整理し、手順書を作成しているか
- 質問⑤:パフォーマンスはどのように管理していますか?
- パフォーマンス要件を指標化し、テストをしているか
- 本番環境と同じ構成でテストしているか
- 指標を超える高負荷を想定し、アラートを設定しているか
- サービスクォータに余裕があることを確認しているか
- 高負荷を想定したテストはある程度長時間で実行しているか
- パフォーマンス要件を指標化し、テストをしているか
- 質問⑥:コストはどのように管理していますか?
- コスト要件を定義しているか
- コスト状況をモニタリングしているか
- コストの構造や特性を把握しているか
- アラートを設定しているか
- 質問⑦:改善や進化はメカニズム化していますか?
- 実績データをベースに分析や振り返りを行っているか
- 継続的な実践を目的としたプロセス化を行っているか
- おまけ①:コストは最適化しないの?
- コスト改善が必要なタイミングで実施すればOK
- コストを改善するための視点(低減 or 最適化)の違いに注意
- 単にコストをとことん下げたい(最小化したい)
- サーバレスアーキテクチャが採用できるか検討する
- コストを最適化したい
- マネージドサービスを適材適所でうまく活用する
- コストパフォーマンスのいいオプションを選択する
- コスト改善のプロセスを継続的に実践する
- 単にコストをとことん下げたい(最小化したい)
- おまけ②:持続可能性のことは考えないの?
- 炭素排出量に配慮が必要なタイミングで実施すればOK
- Customer Carbon Footprint Tool
- 「持続可能性≒コスト最適化」であり、視点が違うだけであるため
- コスト最適化:PJや組織(企業)規模の視点で実施
- 持続可能性:地球規模の視点で実践、『MOTTAINAI』精神が大事
- 最もコスパの良いリソースを全リージョンから選択する
- 他のリージョンを使う場合は転送料に注意
- 課金の有無に関係なく不要リソースは積極的に削除する
- コスパの良いアーキテクチャは地球に優しい!
- 炭素排出量に配慮が必要なタイミングで実施すればOK
まとめ
AWS Well-Architectedは、AWSにおける様々な考え方を網羅的にまとめている良いドキュメントではあるのですが、情報量の多さから最初はとっつきづらい面もあるかと思います。
本セッションは、「Well-Architectedを読んでみたけどいまいち内容を理解しきれていない、、、」という方にとてもオススメです。
登壇者の大竹さんが、Well-Architectedにおける主要な考え方を噛み砕いて整理し、その上で簡潔にご解説頂いているので、Well-Architectedの入門動画としても非常にまとまっていると感じました。
ぜひWell-Architectedについて勉強したいという方は、一度視聴してみてはいかがでしょうか。
なおJAWS-DAYS 2022 - Satellitesのセッションのアーカイブ動画が、公式Youtubeチャンネルにアップロードされています。
JAWS-DAYS 2022を見逃してしまったという方がいらっしゃれば、ぜひこちらからチェックしてみてください!
以上、つくぼし(tsukuboshi0755)でした!